可視化の歴史/歴史の可視化 データビジュアライゼーションは、その理論と実践の関係において、ある種の危機に瀕している。この領域は言わば「パラダイム・ジャングル」と化しているために、理論における統一的・普遍的な妥当性を構築できずにいるのである。直ぐに思い付くものを列挙するだけでも、多くの観察者が多様な角度からそれぞれに可視化の理論化に努めていることがわかる。 系統図にはじまる図形表現の公理化に努めてきた「離散数学」(Semple, C., & Steel, M. A., 2003)。 統計学理論との関連からデータや情報のグラフ化の手法を提供する「統計グラフィクス」(Tukey, J. W., 1977)。 データや情報の様相や変異のパターンの図形化を試みる「インフォグラフィクス」(Lima, M., 2013)。 あるいはエルヴィン・パノフスキーの「図像学(iconography)」に由来する