前回 は、視聴者が「可処分時間(自分の判断で自由に使える時間)に対する満足度」の最大化を追求する「タイムパフォーマンス視聴」(タイパ視聴)の実態について明らかにしました。 今回はビデオリサーチと電通が共同で行ったビデオエスノグラフィー(許諾を得た被験者の家庭内にビデオを設置して行う)調査の結果を分析しつつ、宅内においてテレビとスマホ、そしてリニアサービス(テレビ放送など、決められた時間の流れに沿ってコンテンツを閲覧)とノンリニアサービス(VOD〈Video on demand〉など、視聴者側の要求に応じてコンテンツが配信される)がどう使い分けられているのかを見ていきます。 テレビ好きの家庭でリニア/ノンリニアの利用実態を探る 子どものころからテレビが絶えず流れている家庭で育ったというAさん。今も家にいる間は、ずっとテレビをつけっぱなしです。映像視聴時間は、平日で482.3分、休日は518.