地味、硬い、文字が多い−−。この時代に「売れない」要素そろい踏みの、中公新書の売れ行きが絶好調である。『応仁の乱』の37万5000部(5月25日現在)は出版界最大の話題だ。編集長が語る新書というメディアのあり方とは。 編集長「中公は新書の極北」「中公新書は数多くある新書のなかで”極北”だと思っています。昔ながらの新書ですね。つまり第一人者が、大きなテーマを、じっくり書く」 中公新書の白戸直人編集長はそう語る。 企画から完成、出版まで平均して2年から3年、長い人だと10年近くかかるときもあるという。 白戸さんは2011年から編集長を務める。 この間、増田寛也さん編『地方消滅』の約23万部、吉川洋さん『人口と日本経済』の約10万部など時代を切り取るようなヒット作がでた。 極めつけが呉座勇一さんの『応仁の乱』だ。 幕末や戦国時代ならいざしらず、「売れない」が常識だった日本中世史で、あまりにも地味
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