野村 恭彦(国際大学GLOCOM 主幹研究員) 背景: 企業も国家もイノベーションを希求する 今日のグローバル社会で、企業にしても国家にしても、イノベーションを求めない組織はない。消費社会は成熟度を高め、新商品を出してもすぐに市場が飽和してしまう。多くの商品は既存のものの改善か、小さな差異化を行ったものばかりになってしまっている。またエネルギー消費についても、このペースでは地球環境も限界に近づきつつあり、持続可能性(Sustainability)を求める声は日増しに高まってきている。その一方で、イノベーションを成長戦略の中心に掲げながら、新規事業への研究開発投資を抑制し、コア事業に集中することでイノベーションから遠ざかってしまっている企業が多いのが現状だ。 2006年の国内のメディアコンテンツの市場規模は、13兆9890億円にのぼる。これらを流通メディア別に分類すると、パッケージ流通(図書