地域を守る神様が棲む森を「鎮守の森」と言うように、私たち日本人は昔から、森を身近に感じながら生きてきました。 日常的に森と接することが難しくなっている現代だけに、森から学ぶこともたくさんあるのではないでしょうか。今回は、森と私たちの暮らしについて考えてみたいと思います。 森をつくるには 草も花も何もないところに森をつくるには、どうしたらいいでしょう? まず、大きな岩を置くのだそうです。大きな岩を置くと、熱くなった岩が夜の空気に冷やされて水滴が発生します。また日中も岩の陰で暑い日差しから身を守ることができます。そこに微生物が生まれ、そのうちに植物が芽を出します。虫もやってきます。小さな気候の変化をつくり出すことで、生物が生まれてくるのです。こうして徐々に時間をかけて、草が芽生え草原をつくっていくのです。 草原ができると、草木のあるところとないところとでは温度差が生まれてきます。その温度差が風