「3歳児神話」という言葉がある。「3歳になるまでは母親が子育てをするべきだ」「脳の8割が出来上がる3歳までの環境が将来を決める」。保育者と脳にまつわる2種類の「神話」だ。本当のところ、どうなのか。 3歳までは母親が子育てをという「神話」は、1998年の厚生白書が「母親が育児に専念することは歴史的に見て普遍的なものでもないし、たいていの育児は父親(男性)によっても遂行可能」とした。そのうえで「合理的な根拠は認められない」と退けている。 脳の発達に絡む「神話」は、早期英才教育の必要論の根拠となっている。しかし、その教育効果といえば、疑わしい。 東京大学教授で発達認知神経科学が専門の開一夫は「例えば早期教育用の学習教材で、その効果を科学的に証明したものはありません。消費者のニーズがあるだけです。スポーツや音楽の才能もすべての子どもがプロになれるほど伸びるわけではない」と語る。 では、この時期が大
