今月末、一冊の本が書店に並ぶ。学習院大の田崎晴明教授(理論物理学)が書いた「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」(朝日出版社、1050円)だ。問題が多岐にわたる放射線について、一科学者が、何が分かっていて何が分かっていないかを、これまでの蓄積を踏まえて丁寧に書きつづった本だ。 中身の紹介はここまで。私が注目するのは、出版されるまでの経緯だ。実は同書は既にインターネット上(http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/)に無料で全文公開されており、修正点も田崎教授自身がツイッターなどで発信している。印刷することも自由にできるし、タブレット端末に取り込めば電子書籍として完成形で読める。わざわざ、紙での出版を考えたのはなぜなのか。編集を担当した朝日出版社第二編集部(ツイッター:@asahipress_2hen)に聞いてみた。
芦屋市谷崎潤一郎記念館(伊勢町)で、12年度春の特別展「『文豪・谷崎潤一郎の先覚』『源氏』『細雪』『鍵』…名作にみる出版戦略」が4月1日から開かれる。6月24日まで。 半世紀にわたり、売れる名作を送り出し続けてきた谷崎は、本の装丁や宣伝にも自らアイデアを出すなど、天性のプロデュース能力を発揮した。今回の特別展では、鏑木清方作「谷崎本源氏物語を読む少女」(「潤一郎訳源氏物語」発売記念ポスター)や棟方志功装丁の「鍵」など約100点を展示する。 開館時間は午前10時~午後5時。月曜休館。入館料は一般300円、大学高校生200円、中学小学生は無料。問い合わせは同記念館(0797・23・5852)。【森本宗明】 〔三田版〕
岩波書店本社(東京都千代田区)と総合雑誌「世界」、同社がホームページで公表している「2013年度社員募集要項」の応募資格の部分 コラージュ・勝又雄三 就職難の折も折、「広辞苑」や総合雑誌「世界」などで知られる岩波書店が「コネ採用」とも受け取られかねない社員募集要項を発表し、波紋を広げている。社会に出れば「コネ」は「人脈」と呼ばれ財産ともなるが、学生にまでそれを求める老舗出版社の意図とは何なのか。そして学生たちの反応は?【浦松丈二】 ■「紹介状」の一節 ことの発端は、岩波書店が1月10日にホームページで告知した、2013年4月入社の募集要項(中途採用を含む)の応募資格に、次の一節があったことだった。 <岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること> その意図を同社は「(紹介をしてもらうための努力などから)応募者の熱意や意欲を把握したい」と説明したが、「あの岩波が、堂々とコネ採用?
◇住民の誘致運動、結実も 道内の中小書店の休業・閉鎖が近年、相次いでいる。売り場面積が1000坪(3300平方メートル)を超える「メガ書店」の出店や、インターネット注文による宅配、コンビニエンスストアなどライバルが出現したことに加え、携帯電話やパソコンの普及で「本離れ」が進んでいることも背景にある。一方、地方の住民から「文化の拠点の中小書店を守ろう」という動きも出ている。【鈴木勝一】 ■北見の老舗閉店 7月6日、北見市中心部で営業していた1947年創業の老舗書店「福村書店」が事業を停止した。 利用者の年代に応じて高さを変えた陳列棚や、コミックより広い児童書コーナー、地元ゆかりの本を幅広く集めるなど、住民ニーズを細かくとらえた個性的な店作りで地元に愛され続けた「まちの本屋さん」。しかし、負債は約5億6000万円に上り、10月に大型書店「コーチャンフォー」が開店予定のこともあり、閉店に追い込ま
電子書籍を本格的に普及させようと、電機各社が専用端末のてこ入れを図っている。インターネット通販との提携や配信サービスの相互乗り入れで、購入できる書籍数を増やしている。ただ、米アップルのタブレット端末「iPad(アイパッド)」やスマートフォン(多機能携帯電話)などライバルは多く、音楽やゲームなどの配信も受けられる「多機能型」への脱皮を目指す動きも出ている。【竹地広憲】 パナソニックは10日、楽天が新設した電子書籍サイト「Raboo(ラブー)」向けの端末「UT-PB1」(3万4800円)を発売。ラブーは約1万5000冊を取りそろえ、楽天がネット通販で導入している試し読みの機能も付けた。楽天の谷口昌仁・イーブック事業長は「紙の本を販売してきた経験を生かし電子書籍を普及させたい」と意気込む。 調査会社ICT総研によると、「電子書籍元年」と言われた10年度の国内の電子書籍の市場規模は約650億円。こ
パソコンや専用端末で、インターネットから情報をダウンロードして読む電子書籍の市場が広がっている。しばらくは紙の本の優位が続くとしても、日本の出版界は過渡期を迎えつつある。自由な表現や言論を支える出版文化は民主主義社会の生命線だ。電子化の進行がマイナスに働かないようにしたい。 メディア関連の調査をしている「インプレスR&D」によると、2010年度の電子書籍全体の販売額は約650億円。前年度から約13%増えた。15年度には約2000億円になると予測している。 従来、携帯電話向けのものが多く、10年度も88%を占めている。コミックが中心だった。これに対して、昨年以来、「iPad」をはじめ、電子ブックリーダーやスマートフォン(多機能携帯電話)など、電子書籍が読める新しい端末が次々と発売されたこともあり、文芸書やビジネス書などの販売も増えている。13年度には新端末向けの販売額が携帯電話を超えると考え
総務省は10日、ソフトバンクモバイルが販売するスマートフォン(多機能携帯電話)の「アイフォーン」で、利用者が知らないうちにデータ通信が行われ、通信量に応じて料金が変わる「2段階パケット定額プラン」の場合、当初の説明以上の料金が発生するケースがあるとして、原因の究明と適切な広告表示をするよう行政指導した。 同プランではデータ通信を一定量までしか使わない場合の下限料金は月1029円。しかし、同省とソフトバンクが、購入したままの状態で端末を操作せず放置して検証したところ、4台のうち3台が上限料金の4410円、1台が3000円台後半に達した。アイフォーンの仕様は公開されておらず、通信の内容は分からないという。 ソフトバンクによると、自動的にデータ通信が発生するのはアイフォーンのうちOS(基本ソフト)が「iOS4・0」以上を利用している機種で、4月から告知を始めているという。同日には「過去一部のアイ
◇岡山県新見市の高見小学校 岡山県新見市が取り組む情報通信技術(ICT)活用教育推進事業のモデル校になっている高尾小学校で、全校児童75人にタブレット端末「iPad」(アップル社製)が配布された。15日に公開授業を予定している。 同市はICTを教育に活用するため、タブレット端末、電子黒板を使った双方向の授業、ICT教育支援員の育成などを進めている。高尾小には全児童と学級担任用にタブレット端末96台、全学級教室に51インチの電子黒板6台を配備した。 iPadが配られると児童は興味津々。早速、電源を入れ、地図検索ソフトの画面に触れて映し出された地図を親指と人差し指で拡大したり縮小したり。文字入力するなど基本操作を学んだ。初めてiPadに触れた田原七穂さん(4年)は「操作は簡単。算数と国語の授業が楽しみでiPadを使うともっと好きになれそう」と笑顔を浮かべた。担任の竹本久美教諭は「子供たちの興味
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