今夜放送の「NHK紅白歌合戦」では、ビートたけしが特別企画で初出場し、「浅草キッド」を歌う。今年、大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」で語り手の古今亭志ん生役を演じるなど、ここしばらくNHKへの出演も多いたけしだが、まさか紅白に歌手として出るとは思いもしなかった。 それも「浅草キッド」という選曲がたまらない。たけし自身の手になるこの曲は、最近では菅田将暉などもカバーしているが、やはり本人以外にこれを歌うにふさわしい人はいないように思う。 浅草での修業時代を歌い上げる 「浅草キッド」は、たけしが青年時代に浅草で芸人修業を続けるなか、コンビを組んでいつか売れる日を夢見ながら、やがてその夢を捨ててしまう相方を歌ったものだ。たけしとは同世代で、浅草のストリップ劇場のフランス座で切磋琢磨した仲であるライターの井上雅義は、1985年の冬、映画「夜叉」の撮影中のたけしをロケ地の若狭まで取材に訪れ