室町時代の中期、東西両軍が11年にわたって繰り広げた「応仁の乱」。勃発から550年の長き時を越えて、現代読書人の熱い視線を浴びている。小学校社会科教科書に載るなど誰もが知る戦乱だが、戦国時代の合戦や幕末の動乱などに比べると、今ひとつ人気がなかった。しかし、中公新書「応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱」は昨年10月の発売以来、硬派な歴史新書としては異例の12刷・13万部を売り上げるベストセラーになっている。著者の呉座(ござ)勇一さん(36)と版元の中央公論新社にヒットの理由を聞くと、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と新聞広告など新旧メディアの特性を生かした販売戦略にコアな歴史ファンが反応、多くの一般読者の関心を集めるまでに支持を広げたことが分かった。【大村健一/デジタル報道センター】