学術情報の国際発信・流通力強化のための基盤整備に向けて 文部科学省は,科学技術・学術審議会学術分科会研究環境基盤部会学術情報基盤作業部会による「学術情報の国際発信・流通力強化に向けた基盤整備の充実について」と題した文書(2012年7月付)を公表した。これは,同作業部会が2011年3月以降審議を重ねてきた,日本の学術情報の国際発信・流通力強化のための基盤整備,システム改革に必要な課題や対応策をまとめたものである。 学術情報の国際発信・流通力強化に向けた基盤整備を検討する背景には,日本においてはインパクトファクターの高い,国際的に認知された学術雑誌が少ないため,日本の学術コミュニティに基礎を置く国際的な学術雑誌が必要であるとの考えがある。また,日本で生産された学術情報の電子化,ネットワーク化,オープンアクセス化の理念を踏まえて,第4期科学技術基本計画でも指摘されている「知識インフラ」構築(E1