昨年来大きな話題となっているWeb小説「まおゆう」。そのパロディコミカライズ版として異彩を放っていたくらふとさんの「ゆかいな魔王と勇者」がついに完結しました。全128話512ページ。あの長大な原作をよくぞこのページ数でまとめたものだと感嘆しますが、単にダイジェストにしただけでなくユーモアも盛り込んで独自の読み味となっているのも素晴らしいですね。 yukainamaoyu この独特の作風は往年の漫画家杉浦茂から借りてきたもの。キャラクター間の長々しい駆け引きをバッサリと切り落とし時におどけながら次々と場面が転換していく様子はなかなかに痛快です。後半に行くに従い情報量が大きくなって展開もシリアスになっていくのですが、それでもこのとぼけた味わいが保たれているのが絶妙な風味になっています。後半に行くにつれ漫画としての洗練度が増して行くのも見逃せないポイントですね。 一番のオススメは、まおゆうWEB