3月11日に発生した東日本大震災に伴う福島原発事故の動向は、福島県にとどまらず国民的関心を集めている。既にレベル5の原子力事故と報道されているが、果たしてレベル5で留まるかどうかが問題である。 原子力・放射線関連の仕事に従事する人には急性毒性のために、被曝許容量が法律で定められている。今回の事故処理での事実をふまえて上限が引き上げられたと報道されている。事故の拡大を防ぐ作業のために、法律違反となる被曝量に従事する指示を出せないのは分かるが、そのために重大な事故を引き起こしては、何のための法律か分からない。角を矯めて牛を殺すとは、このことであろう。 被曝許容量が定められているのは、骨髄毒性のためである。骨髄は白血球・赤血球・血小板といった血液中の細胞を作る場所である。しかしながらこの骨髄毒性は、ある医療技術で克服できることが分かっている。造血幹細胞移植と呼ばれる技術だ。骨髄移植と言った方