ミシェル・ウエルベックの作品は全部読み終わってしまったが、現代フランス文学というのもなかなか面白いものだなと思い、3作ほどセレクトして読んでみることにした。作者・タイトルはそれぞれオリヴィエ・ゲースの『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』、アントワーヌ・ローランの『ミッテランの帽子』、フレデリック・ベグベデの『¥999』。ゲースとローランの作品はWEBサイト「フランス文学の愉しみ」からセレクトした。ベグベデの作品はウエルベックがどこかで言及していたので読んでみることにした。 ヨーゼフ・メンゲレの逃亡 / オリヴィエ・ゲーズ (著)、高橋 啓 (訳) ヨーゼフ・メンゲレの逃亡 (海外文学セレクション) 作者:オリヴィエ・ゲーズ 東京創元社 Amazon アウシュビッツ絶滅収容所に着いたユダヤ人を、ガス室行きと生存させる組とに選別した医師メンゲレは、優生学に取り憑かれ、子供、特に双子たちに想像を絶する実