日銀が13、14両日に開いた金融政策決定会合で、長期国債の買い入れ額を現行の月6兆円程度から減額する方針を決めた。行き過ぎた円安の抑制を念頭に置いた措置であり、決定に異論はない。 ただ、国債買い入れの減額だけで、金利上昇に誘導して為替市場での円安の流れを止めるには無理がある。日銀は早期に追加利上げに踏み切り、大規模な金融緩和からの脱出を図らねばならない。
![<社説>日銀の金融政策 物価の番人に回帰せよ:東京新聞 TOKYO Web](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/23b94253f0e0d227b9fe1b1e7d0958fd2f5dff1c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fstatic.tokyo-np.co.jp%2Fimage%2Farticle%2Fsize1%2Fc%2F1%2F4%2F5%2Fc1454d715dbcd2a3e78dcba3fc33e415_1.jpg)
国債や借入金などをあわせた政府の債務、いわゆる“国の借金”は、ことし3月末の時点で1297兆円余りと過去最大を更新し、財政状況は一段と厳しくなっています。 財務省によりますと、国債と借入金、それに政府短期証券をあわせた政府の債務、いわゆる“国の借金”はことし3月末の時点で1297兆1615億円と8年連続で過去最大を更新しました。 去年3月末と比べた1年間の増加額は26兆6625億円となり、財政状況は一段と厳しくなっています。 昨年度は防衛費や社会保障費が増えたことに加え、ガソリン補助金や低所得者世帯への給付金など、物価高対策を盛り込んだ13兆円を超える補正予算を編成した結果、国債の発行が積み重なりました。 内訳は国債が1157兆1009億円、短期的な資金繰りのために発行する政府短期証券が91兆4993億円、借入金が48兆5613億円となっています。 今年度は予算総額が2年連続で110兆円を
20日の外国為替市場では、円安が加速しています。 日銀がマイナス金利政策の解除を発表したものの、利上げを急がないとの考えを示唆したことから市場では日米の金利差が縮まりにくいとの受け止めが広がり、円相場は1ドル=151円台後半まで値下がりしています。 20日は日本は祝日ですが、海外の外国為替市場では、通常どおり取り引きが行われています。 市場では円を売ってドルを買う動きが強まり、円相場は1ドル=151円台後半まで値下がりしました。 円安のきっかけは日銀の金融政策です。 19日、日銀はマイナス金利政策の解除を発表したものの、植田総裁が利上げを急がないとの考えを示唆したことから市場では日米の金利差が縮まりにくいとの受け止めが広がったためです。 円相場は19日の日銀の発表から2円以上円安が進んでいます。 市場関係者は「異例の金融緩和に日本経済が長くつかっていただけに植田総裁は今後の利上げには慎重な
日本の金融・財政政策の行き詰まりが顕著だ。政府・日銀はここ10年、大規模な金融緩和策や財政支出でお金を配ってきたが、実体経済はよくならず、最近は円安による物価高の副作用が目立つ。最新の著作でさまざまな通貨の存亡の歴史を掘り下げ、自らもバブル崩壊後の金融危機対応にあたった元日銀局長の田辺昌徳氏は、政策迷走の陰で「円」という貨幣のガバナンス(統制)不全が進行すると危ぶむ。(聞き手・池尾伸一) 田辺 昌徳(たなべ・まさのり) 1952年生まれ。東京大経済学部卒。日銀信用機構局長、預金保険機構理事長などを経て2015年から武蔵野大客員教授。日銀時代は信組の破綻処理や受け皿銀行の整備、北海道拓殖銀行の破綻処理などに尽力。預金保険機構では経営が悪化した日本振興銀行について日本初のペイオフ(預金の払い戻し制限措置)を指揮した。今年9月に刊行した「ガバナンス貨幣論」(岩波書店)で、貨幣を「社会的共通資本」
30日の債券市場では、日本国債を売る動きが強まり、長期金利は午前の取り引きで、一時、0.890%をつけて2013年7月以来、およそ10年ぶりの水準まで上昇しました。 国債は、売られると価格が下がって、金利が上昇するという関係にあります。 30日の債券市場では日本国債を売る動きが強まり、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが午前の取り引きで、一時、0.890%まで上昇しました。 2013年7月以来、およそ10年ぶりの水準です。 アメリカの長期金利が高い水準で推移していることに加え、日銀が30日から開く金融政策を決める会合で、長期金利の事実上の上限を引き上げるのではないかという見方が出ていることなどが背景にあります。 市場関係者は「日銀が長期金利の事実上の上限としている1%にじりじりと近づいていて、きょうからあすにかけて開かれる日銀の金融政策決定会合やその後の植田総裁の会
自民安倍系、「植田日銀」けん制 大規模緩和の修正警戒 2023年08月02日07時07分配信 記者会見する自民党の世耕弘成参院幹事長=1日、国会内 自民党の安倍晋三元首相に近かった幹部らから、日銀の植田和男総裁下の金融政策をけん制する声が上がった。7月28日に決定した長期金利上限の運用柔軟化が、大規模金融緩和を進めたアベノミクスの修正につながるとみるためだ。政治的圧力が強まれば、日銀の「独立性」を妨げることにもなりかねない。 世耕氏、日銀総裁に「目光らせる」 「緩和離脱メッセージ」警戒 「緩和姿勢を変えないコミットメント(約束)が守られていくか注視したい」。自民の世耕弘成参院幹事長は1日の記者会見でこう強調。先月31日の講演でも「緩和からいよいよ離脱を始めるメッセージが出た。『植田日銀』に目を光らせなければいけない」と、長期金利の上昇を1%まで認めるとした28日の金融政策決定会合に露骨な不
ヨーロッパ中央銀行は金融政策を決める理事会を開き、先月予告していたとおり、0.5%の大幅な利上げを決めました。アメリカの銀行の相次ぐ破綻やスイスの大手金融機関の経営に対する懸念が高まるなかでも、インフレの抑制を優先する姿勢を示しました。 ヨーロッパ中央銀行は16日、本部があるドイツのフランクフルトで理事会を開きました。 このなかで主要な政策金利を0.5%引き上げ、3.5%にすることを決めました。 利上げは去年7月以降、6回連続となります。 ヨーロッパ中央銀行は先月の理事会でインフレを抑えるためにはさらなる利上げが必要だとして、今回の0.5%の大幅利上げを予告していました。 ただ、今月に入ってアメリカの銀行が相次いで破綻したのに続き、ヨーロッパでもスイスの大手金融グループ「クレディ・スイス」の経営に対する懸念が高まり、金融市場に動揺が走るなかで予告通りに利上げするのか注目されていました。 ヨ
2日の東京外国為替市場は、アメリカが大幅な利上げを続けるという見方から円安が加速し、円相場は、24年ぶりの円安水準となる1ドル=140円台前半まで下落しました。 2日の東京外国為替市場では、日本時間の1日夜に発表されたアメリカの経済指標が市場の予想を上回ったことを受けてアメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が大幅な利上げを続けるという見方が広がりました。 このため日米の金利差の拡大が意識され、円を売ってより利回りの見込めるドルを買う動きが広がりました。 午後5時時点の円相場は、1日と比べて96銭、円安ドル高の1ドル=140円24銭から26銭でした。 ユーロに対しては1日と比べて39銭、円安ユーロ高の1ユーロ=140円8銭から12銭でした。 ユーロはドルに対して1ユーロ=0.9988から89ドルでした。 市場関係者は「投資家の間では、円安ドル高の傾向はしばらく続くという見方が多
ついに1ドル=120円台に突入した円相場。 この円安はどこまで進むのか? 市場関係者の間で飛び交うのは、125円前後を意味する“黒田ライン”ということばです。(経済部記者 中野陽介) 1ドル=125円前後の“黒田ライン” 黒田とはもちろん、日銀の黒田東彦総裁のこと。 黒田バズーカとも呼ばれた大規模な金融緩和を背景に1ドル=125円前後まで円安が進んでいた2015年6月10日、衆議院の財務金融委員会で、黒田総裁はこう発言しました。 『ここからさらに円安に振れることは、普通に考えるとなかなかありそうにない』 急速な円安への警戒感も出ていただけに、この発言を行き過ぎた円安に対するけん制だと受け止めた市場は大きく反応。 円相場は一時2円以上も円高が進みました。 “このラインを超えると黒田日銀は動くぞ” こうして市場関係者の胸に深く刻み込まれたのが、1ドル=125円前後の“黒田ライン”というわけです
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