リバタリアンが社会実験してみた町の話:自由至上主義者のユートピアは実現できたのか 作者:マシュー・ホンゴルツ・ヘトリング原書房Amazon はじめに どのように人々は集まってきたのか? 自由な町にヤバいやつらが集まってくる。 リバタリアンらは町を良い方向に変えたのか? おわりに はじめに 他者の身体や私的財産を侵害しない限り、各人が望むすべての行動は自由であると主張する、リバタリアンと呼ばれる人たちがいる。すべてを自由にすべきと考える原理的な人から、条件的に制約を認める人まで無数の思想的内実があるわけだが、そうした思想を持つ人々にとっては多くの国家・地域は制約だらけにみえるだろう。 自分たちの思想を社会に反映させるためには、民主主義の場合にはリバタリアン的思想を持つ候補者に票を投じたり、自分自身が立候補して国の方針を地道に変えていかなければいけないわけだが、それは当然ながらなかなかに大変な
『綻びゆくアメリカ―歴史の転換点に生きる人々の物語」、ジョージ・パッカー著(NHK出版) ドナルド・トランプを選んだ米国を、最も上手く説明している本が3年以上前に出版されていたなんて信じられるだろうか。『綻びゆくアメリカ』で、ジョージ・パッカーはこの国の制度や歴史的慣習を幅広い視点で観察し、自らの調査結果に愕然としている。この本はホラー小説のように始まるが、ある意味ホラー小説そのものだと言えなくもない。「いつアメリカが綻び始めたか誰も知らない」と、パッカーは書く。「アメリカ人を1つにしていた、安全で時折息の詰まるような絆はいつ崩れ始めたのか」。 サム・ウォルトン、オプラ・ウィンフリー、エリザベス・ウォーレン、ニュート・ギングリッチといったさまざまな人物の紹介と省察がそれに続く。1980年台後半に米下院議長に就任した頃のギングリッチの話し方が、選出された指導者たちの話し方をどう変えたかパッカ
「非モテ」からはじめる男性学 (集英社新書) 作者:西井開 集英社 Amazon 第一章で提示される、本書のねらいは以下の通り。 ……登場してから二〇年以上もの間、「非モテ」論は主にネットを中心として議論と考察が繰り返されてきた。その蓄積に敬意を払うと同時に、私は「非モテ」論が限界に立たされているとも感じている。それは、これまで見てきた「非モテ」論の多くが「モテない」こと、つまり恋人がいないことや女性から好意を向けられないことが問題の核心であるという前提に立っているという点にある。 (…中略…) 果たして本当に「非モテ」男性はモテないから苦しいのだろうか。時に暴力にまで走ってしまうほどの苦悩の説明を「モテない」という状況にだけ求めてしまっていいのだろうか。本書で問おうとするのはここである。 ところで杉田[俊介]は『非モテの品格』の中で、性愛的挫折がトラウマのように残り続ける原因として、非正
ブログ「読書猿 Classic: between/beyond readers」主宰。「読書猿」を名乗っているが、幼い頃から読書が大の苦手で、本を読んでも集中が切れるまでに20分かからず、1冊を読み終えるのに5年くらいかかっていた。 自分自身の苦手克服と学びの共有を兼ねて、1997年からインターネットでの発信(メルマガ)を開始。2008年にブログ「読書猿Classic」を開設。ギリシア時代の古典から最新の論文、個人のTwitterの投稿まで、先人たちが残してきたありとあらゆる知を「独学者の道具箱」「語学の道具箱」「探しものの道具箱」などカテゴリごとにまとめ、独自の視点で紹介し、人気を博す。現在も昼間はいち組織人として働きながら、朝夕の通勤時間と土日を利用して独学に励んでいる。 『アイデア大全』『問題解決大全』(共にフォレスト出版)はロングセラーとなっており、主婦から学生、学者まで幅広い層か
一時期は出版の花形ジャンルだったエッセイ。 さくらももこが契機となってあれもこれも、とみんなこぞってエッセイを出したし、売れた。 しかし、いまや書店で「エッセイ」のコーナーはどんどん縮小して、ほとんどの店で棚自体がなくなっている。 ベストセラーリストにエッセイはまったく入ってこないし、だれが出しても売れない。 かつては小説よりもはるかに売れたのに、いまは小説よりも売れない。 しかし、未だにちょっと売れた書き手がエッセイを出したがるというパラドックスは存在している。 いまはコンセプトのはっきりしない本は売れないので、その点エッセイは分が悪い。 そのうえ軽い読みものはネット上でいくらでもあるので、軽い読みものが読みたいという需要はネットが吸収しているのだろう。 ちなみにエッセイほどではないが、ビジネス書もオワコンになってきている。 いま本で売れるのは骨太な小説か、骨太なノンフィクション。軽い読
Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) @marukwamy Linguistics, Indo-Iranian, Tibeto-Burman, Austroasiatic, Turkic, Uralic, Caucasian, Mayan, Mesoamerican, Food Porn, Anime, Cats、中身は小公女、外身はおっさん Aisanazman Marukwamy (愛沙奈まみ) @marukwamy ドラえもんを全く知らないけど日本語リテラシーの高い外国人が 1. 野比のび太 2. 剛田武 3. 骨川スネ夫 4. 源静香 5. 出来杉英才 という名前を見て、1と3と5は実在しない人名でフィクションのキャラクターだと一瞬で見抜けるのかどうか、名前に寓話性を読み取って「マンガだ」と気付けるのか気になる。 Aisanazman Marukwamy (愛沙
現役介護職員でイラストレーターのつくもともよよ(@moyo_yo1002)さんによる、老後のシビアな現実を描いた漫画「加齢なる老後の世界」。その中から「老後の読書がいかに大変か」伝えるエピソードを紹介します。 老後に読書はハードルが高い 漫画をまとめて読む 30代のつくもとさんは、同世代の友人が“読みたい本はたくさんあるけど時間がないから老後の楽しみにしている”と楽観的に話すのを聞き、「老後なんて! 本! 読めないから!」と心の中で叫びます。つくもとさんは介護士として9年間働き、お年寄りのリアルな姿を身近で見てきたからです。 それは90代の女性に本を渡したときのこと。読書が好きだというその女性は、楽しそうに本を読み始めますが……5分もすると上の空状態でページをめくる手が止まり、「字が小さすぎて読めないわぁ~」と途中で諦めてしまうのでした。 つくもとさんは老後に読書がしんどい理由を総合的に分
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