安倍晋三首相は、原発を「安上がり」であるかのように描いて、「安全と判断されたものは再稼働していく」と明言しています。原発は「安上がり」か、検証します。 (佐久間亮) 隠された国民負担 歴代政府はこれまで、原発の発電費用が他の電力より安上がりだという試算をたびたび発表し、それを根拠に原発建設を進めてきました。例えば、2004年には1キロワット時あたり5・3円という数字を出しています。この試算は、根拠となるデータが公表されていないうえ、いくつもの国民負担を隠しています。 まず、国の税金で原発を支えている費用が含まれていません。原発の研究費用や立地自治体への交付金として、11年度には3193億円が使われています(政府のコスト等検証委員会調べ)。 コスト等検証委員会の委員を務めた立命館大学の大島堅一教授は、電力各社が発表している資料をもとに、原発の発電費用を1キロワット時あたり8・53円と試算。さ