「むちゃくちゃだ」「現実からかけ離れている」。保護者からは怒りや不安の声がわきあがっています。虐待する親にされてしまうかもしれないと▼子どもだけで登下校させる、公園で遊ばせる、お使いに行かせる。子どもだけ家に残してごみ出しや回覧板で外出する―。これらを虐待とみなすというのが、埼玉の自民党県議団が出した虐待禁止条例の改正案です▼同県議団は子どもが放置されている状態を虐待と定義。県民には通報の義務を課すとしています。ネグレクトや車内への置き去りがたびたび問題になっているとはいえ、ここまで対象を広げては保護者を追いつめるだけです▼先の事例は共働きやひとり親世帯をはじめ、日常の中で当たり前のようにみられる光景です。低い賃金で長時間働かせ、家族や女性に子育てを押し付ける。そんな社会の実態を見ずに、さらに子育ての負担を強いるとは。そうした環境を放置し続けてきた自民党こそ、市民への虐待ではないのか▼改正
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