「デンマークの失態」は、ソ連にその諜報機関を根本的に再編することを強いた。その結果、ソ連は世界で最も優れた諜報機関を持つ国となった。 意外なことに、ソビエト諜報機関の最大の失態は、ナチスや米国、英国とではなく、平和主義の中立国、デンマークと結び付いている。この失態は「住民会議」事件の名で歴史に刻まれることとなった。 1930年代、小さな中立国デンマークは、ソビエト諜報機関の関心の対象ではなかった。しかし、このスカンジナビア国家は、第三帝国からソ連へと情報を流す主要な中継局として重要な 役割を果たしていた。 まさにここでソビエト諜報機関がヘマをやるとは、誰も予想していなかった。 アマチュアスパイ 第二次世界大戦や冷戦期には、ソビエト諜報機関は世界でも有数の強大で有能な組織だった。だが1920年代から30 年代のソビエト諜報機関は、外国語をほとんど知らず、偵察活動の経験もゼロのアマチュア諜報員