日経紙の日曜日のコラムに、民法改正をめぐる論説委員(安岡崇志氏)からの「注文」が掲載されている*1。 冒頭で、穂積陳重の著作から、 「法典の文章用語は、平易簡明にして、成るべく多数人の了解し得べきを専一(第一)とせざるべからず」 「法文を簡明にするは、法治主義の基本なり」 「法文の難易は国民文化の程級を標示するものである。難解の法文は専制の表徴である。平易なる法文は民権の保障である」 という一節を引いた上で、 「こうした信念を持つ穂積が生みの親なのに、残念ながら民法の法文は難解至極な代物だ」 と皮肉り、これまでの司法改革の過程での指摘や、現在の法律学者の議論の一端を紹介したうえで、 「民法改正を議論する法制審は、100年余りの日本の「文化上進」に見合う平易通俗な法文にする視点を大事にしてもらいたい。」 という一言で一連の“注文”をまとめているこのコラム。 現在の民法が「極めて難解な代物だ」