ブックマーク / taknakayama.hatenablog.com (6)

  • 『失われた場を探して』補記 - 横浜逍遙亭

    昨日紹介した『失われた場を探して―ロストジェネレーションの社会学』について、もう少しだけ補足をしておきたいと思いました。 この社会学者が書いた一般書、あるいは一般人にも読みやすく書かれた研究書を一読してよい読書をしたときの満足感を得た私でしたが、「売れるかなあ、できるだけ多くの人に読まれるといいなあ」と思いながら、届く範囲は限られているだろうなという諦念もあります。広告宣伝には限りがある小さな出版社から出たですし、テーマに現代性は大いにありますが、マス向けの商品としてはやはり真面目すぎて地味ではあります。ですが、こうしたが売れなかったら、を作ること自体に意義があるとは言えないなあとまで考えてしまいます。 ロストジェネレーションを生み出した経済の不調は、社会の構造自体を不可逆的に変化させているという全体像を著者は提示します。これを実証するためにの中で緻密に観察されているのは、就職にま

    『失われた場を探して』補記 - 横浜逍遙亭
    kodaif
    kodaif 2008/12/03
    "別の意味でいいなあと思うのは、この著者の人間的な温かさが行間からにじんでいる点でしょうか。"
  • 『失われた場を探して』 - 横浜逍遙亭

    先日、『アーキテクチャの生態系』を紹介したばかりですが、再び私の職場から世に出た書籍をご紹介させて頂きます。メアリー・C・ブリントン著『失われた場を探して―ロストジェネレーションの社会学』がそれです。 『アーキテクチャの生態系』について、このブログを読んでいるすべての方にお勧めしたいと書きましたが、この『失われた場を探して』も、違った意味で多くの方に手にとって頂きたいと考え、キーボードに向かっています。すべてのとは申しませんが、「シュンポシオン横浜」にご興味をもっていただくような方にはぜひお読み頂きたいです。また、梅田望夫さんの一連の著作にある角度から共感を訴えた多くの若い読者にお勧めしたい一冊でもあります。 これは日の労働市場や仕事とをめぐる環境の変化について、実証的に研究した結果を基に、米国人社会学者が一般読者向けに書き下ろしたです。著者のメアリー・ブリントンはハーバード大学ライ

    『失われた場を探して』 - 横浜逍遙亭
    kodaif
    kodaif 2008/12/02
    "優れた分析や提言を前にしたとき、私たちは往々にして感じるある種の共通した感覚を覚えることがあります。"
  • ともだち - 横浜逍遙亭

    一年ぶりに友人と呑んだ。アルコールは大好きだけれど、数値を計ると生来肝臓や膵臓の機能が弱いらしい。だから量はからきしで、あっという間に気持ちよくなってしまう。昨日も数杯の焼酎でさんざん酔っぱらったが、このときの気持ちよさの源泉は焼酎のおいしさではなかった。 若い頃は「自分のことを分かってくれる」のが友達、「お互いを理解し合える」のが友達なのだと思っていた。ところが、この定義を掘っていくと、相手の理解できない部分に出会ったときに「あれっ、自分と違う」と困惑し、信頼の基盤と思っていたものが魔法のように消えてしまいそうになる。大人になってしまうと、そんな素朴なもたれ合いには慎重になり、だから友人を作るのはそんなにやさしいことではなくなっていく。 最近はこんな風に考えるようになった。相手が持つ自分にはない何かに対して敬意を払えるか、自分との違いを尊敬できるか、あるいは面白がれるかが相手を友達として

    ともだち - 横浜逍遙亭
    kodaif
    kodaif 2008/11/21
    ”相手が持つ自分にはない何かに対して敬意を払えるか、自分との違いを尊敬できるか、あるいは面白がれるかが相手を友達として認めることができるかどうかの分かれ目ではないか。”
  • 『アーキテクチャの生態系』 - 横浜逍遙亭

    今年の初めから出版社に勤め始め、最初は企業相手の商売をする部署にいたのですが、夏に一般書籍の部門に移りました。生まれて初めて仕事に囲まれる生活は、ある意味で天国のようで、しかし忌野清志郎が唄うように「いいことばかりはありゃしない♪」が音のところでもあるのですが、こんな風に仕事が楽しいというのは二十年以上サラリーマン生活をやってきて初めてかも知れません。リサーチャーの時代にはリサーチャーならではの楽しさ、醍醐味があり、それは今思い出しても懐かしく、自分にとって素敵な時代でしたが、今の生活もそれなりに悪くはありません。もちろん「いいことばかりはありゃしない♪」ではありますけれど、よいことなんか爪の先ほどもないと思いながら仕事をしていた頃、漠然とした不安を抱え、先行きの見通しがまるでない中で、ただただ残業を重ねてがむしゃらに働く時間が少なくなかった若い頃を考えれば、「いいことばかりはありゃ

    『アーキテクチャの生態系』 - 横浜逍遙亭
    kodaif
    kodaif 2008/11/20
    ”この商売をしていて「良いことばかりはない」どころではなく、とても素敵なこと、掛け値無しによいことがあります。”
  • なべて世はこともなし - 横浜逍遙亭

    梅田さんのエントリーのコメント欄、はてなブックマークが普通ではないことに一昨日やっと気がついた。僕自身は「これって同僚のK君が絶対に読んだ方が良いと力説していた『新潮』のやつだな。梅田さんは今回はとくに力が入っているな」と数日前に☆をつけたはずだったのだが、とんでもない数のブックマークがついていることにはそのときにはまるで気がつかなかった。 水村さんのは読んでいないので、それについては今日はコメントすることはできない。そのうち読んでみたいとは思っている。それにしても「はてブ」には、明らかに梅田さんが取り上げている水村作品を読んでいないと思われる人たちからの批判めいた品のない言辞が書き連ねられている。これはいったいどうしたことだろう。何がそうさせるのか。 それらの批判のほとんどは、端的に言って、水村批判ではなく梅田批判の色合いが強いように見える。僕の周囲にも、あからさまにではなくても、梅田

    なべて世はこともなし - 横浜逍遙亭
    kodaif
    kodaif 2008/11/13
  • よくあることではあるけれど - 横浜逍遙亭

    昨日、梅田さんのエントリーに対して品のないコメントがたくさん寄せられていると憤慨する文章を書いたら、fuzzyさん(id:fuzzy2)から次のようなコメントを頂いた。 何事かと思って梅田さんの日記のはてブを見ましたが、はてブではよくあるふつうの出来事にすぎないと思います。はてブのなかで特にひどい状況ということはないでしょう、これは。 そして「あの中にある有用なコメントだけ拾い読みすればOKです :-)」という身の処し方をすればいいのだというアドバイスも加えて頂いた。「郷に入っては郷に従え」の精神である。 なるほどねとは思う。fuzzyさんは電脳空間で過ごしてきた時間が長い方なので、こうした状況分析と割り切りをさっとできる能力を身につけているのだと思う。ただ、このブログをご覧頂いている方にはお分かりのように、僕はこの辺りに関してはまったくの旧人類で、2チャンネルや、今回のはてブのネガティブ

    よくあることではあるけれど - 横浜逍遙亭
    kodaif
    kodaif 2008/11/13
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