職場の室温を上げ、軽装で過ごすクールビズが始まってから、今年で10年目。 環境省の意識調査では認知度は9割を超え、国民的な習慣としてすっかり定着したようだ。東日本大震災以降、節電に注目が集まり、「地球温暖化防止」が見過ごされがち、という指摘もあり、同省では「節目の年に、改めて地球環境のことをじっくり考えてほしい」と期待を寄せている。 東京の気温が25度近くまで上がった5月10日。「クールビズコーナー」が設けられた都心のデパートの紳士服売り場では、ポロシャツや七分袖のシャツなどを熱心に品定めする家族連れの姿が目立った。 勤め先が3年前にクールビズを導入したという建設会社の男性(48)は、「ネクタイやスーツ姿の方がエコに逆行しているようで肩身が狭かった。導入されたら、社内に一気に広がりました」と話す。 そもそもクールビズは、地球温暖化防止のため、冷房時の室内温度を28度に設定してもらうことが狙