日本で暮らすイスラム教徒(ムスリム)にとって、お墓の問題は切実だ。宗教上の理由で火葬はできず、土葬が認められる墓地は国内で数が限られる。まだ1カ所もない東北地方のムスリムたちが、行政に対応を求めて声を上げている。 今年1月2日夜、仙台市内のインド料理店で、コックのインド人男性が心臓発作を起こした。接客中、急に苦しそうに座り込み、搬送先で死亡が確認された。男性はムスリムだった。 店を経営するのは、バングラデシュ人のマズンデル・モファザル・カリムさん(66)。火葬にせず遺体をインドまで空輸すると約150万円かかる。連絡をとったインドの遺族は「支払えない」という。 マズンデルさんは、土葬を受…