「アジアンジャパニーズ」を初めて読んだのは、僕がちょうど旅行を始めた頃で、10年前。当時は旅行の入門書として、教科書的に読んだ覚えがある。同時期に読んだのは沢木耕太郎の「深夜特急」、小田実の「何でも見てやろう」、いずれもバックパッカーのバイブルと呼ばれる名著ばかりなので、今もバックパッカーカルチャーに興味がある人がいればおすすめです。 バックパッカーという旅行形態は、10年前の当時既に下火だった。旅行もIT化、グローバル化が進み、バックパッカーという旅行のスタイルは、誰もが楽しめるレジャーの一つとして安心安全に機能するようになった。世界一周旅行なんて、勇気がなくても英語が喋れなくても、ちょっとお金と時間があれば誰でもできるようになった時代。10年前は既にそんな感じだった。手軽であるがゆえに廃れた。そこにかつてのバックパッカーが求めていたようなアドベンチャーはなくなっていた。 この「アジアン