「AI処理のボトルネックは演算ではなく、メモリアクセスにある」。そんなタイトルでインテル主催の「Intel Connection 2024」で講演を行なったのは、東京大学 特別教授の黒田忠広氏だ。AIの課題である電力消費とボトルネックを解消すべく、インテルのような北米企業と日本の企業、アカデミアはいま何をすべきか。黒田氏は持論を展開した。 GDP比0.6%の第三期成長期に向かうAI時代の半導体産業 Intel Connection 2024のセッションにおいて、スーパーコンピューター富岳プロジェクトのリーダーである松岡聡センター長からマイクを引き継いだのは、東京大学教授で半導体研究者でもある黒田忠広氏だ。最初に説明したのは、半導体産業の成長について。家電で用いられていた程度だった半導体の市場は1990年代はGDP比0.2%程度だったが、PC市場やインターネットが勃興した1995年頃に0.4