経営者の中には「マニュアル」という言葉に違和感を覚え、自分の関わることではないと考える人が少なくない。その言葉には、社員を型にはめるイメージがあり、創造性を損なう印象があって、経営者として積極的に関わる気持ちが起きないのだろう。 しかし「マニュアルは使うものではなく、作るもの」だったら、どうだろうか。「無印良品」「MUJI」のブランドで世界的に有名な良品計画を一時の38億円の赤字から復活させ、世界に飛躍させた元社長・会長の松井忠三さんがそう語っていると知ったとき、衝撃を受けた。赤字からのV字回復の秘訣もマニュアル作りにあったというのも新鮮な驚きだった。 松井さんの著書『無印良品は、仕組みが9割』(KADOKAWA刊)によると、無印良品には店舗で使う「MUJIGRAM」というマニュアルがあり、本部には「業務基準書」と呼ばれるマニュアルがあるそうだ。MUJIGRAMは2000ページあり、業務基
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