著者の宮沢章夫氏は、劇作家であり演出家である。1980年代半ばに、いとうせいこう、竹中直人と共に劇団を立ち上げ、作、演出をすべて手がけていた。 演劇だから、もちろん台本があり、何度も舞台稽古を重ねて芝居を作り込んでいく。いとうせいこうも、コンセプトをしっかり決めて笑いを作り込んでいくタイプだったが、逆に竹中直人は、「笑いながら怒る人」のような即興劇を得意としていた。 作家が台本に「笑いながら怒る人」と書くことはあり得ない。役者がどう演じていいか分からないし、そもそも芝居の流れのなかで、何の意味も持たせられないからだ。ところが、竹中直人が「笑いながら怒る人」を演じると、破壊的におもしろかったという。 一見、なにも考えないで出てきたような竹中直人の「考えないぶり」が心に残り、宮沢氏はその後「これ、考えてないなぁー」という事象との遭遇に敏感になった――。 新刊書の著者にインタビューするJFN系列
サッカー日本代表は、決勝トーナメントに駒を進めた。 よく頑張ったと思う。 対パラグアイ戦は、延長を闘ってスコアレスドロー。PK戦で敗退した。 残念な結果だ。 退屈なゲームだったという声もある。今大会最大の凡戦であると。 たしかに、傍観者には退屈な試合であったことだろう。少なくとも、スペクタクルな展開ではなかった。 でも、私は、退屈しなかった。 当事者だからだ。 私の内部にはずっと見守ってきた4年間の蓄積がある。退屈している余裕なんかない。ボールがペナルティーエリアに近づくだけで心は千々に乱れた。あたりまえじゃないか。 「おい」 私はほとんど叫んでいた。 「リスクをおそれるなあ」 と。 それゆえ、試合が終わってみると、体中が硬直していた。 翌日は、節々が痛んだ。 でも、選手を責める気持ちにはなれない。甘いという人もあるだろうが、ファンはコーチではない。教師でも軍曹でもない。われわれは選手の祖
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