今年前半が終わっていた。 昨日、さいたまゴールド・シアター「アンドゥ家の一夜」千秋楽。 毎度、自分の関わった舞台には、できるだけ多くの方に観に来てもらいたい気持ちをもつのは当然だが、俺は、まったく気が進まない様子の人を無理矢理誘うほど強引な人間ではない。来たくないなら来ない方がよい。それが自由というものさベェベー。しかしながら、今回はちと例外だった。今回ほど 「あなた方、悪いことは言わない、何はおいても、これだけは観ておいた方がいいんじゃないかい?」 という思いに駆られ続けた公演もなかった。 様々な意味において、今後の人生で二度と味わえないだろう経験をさせてもらった。演劇について、演劇に携わりながら生きるということについて、つくづく考えさせられた。 観に来てくれた俺の周囲の演劇関係者にとっても、鮮烈な体験だったらしく、異様なテンションの感想メールを毎日たくさんもらった。 さいたま芸術劇場が
ゴールデンウイークらしいが。 ゴールデンウイークが嬉しく感じられたのは、何十年前のことだろう。 もうずっと、まったく関係ない。 「神様とその他の変種」東京公演はいよいよ最もハードなタイムスケジュールである中盤戦に突入し、キャストスタッフにはなんとか踏ん張ってもらいたく、祈るような気持ちだ。 プロだから仕方ないとはいえ、この芝居を五日連続で午後一時から、しかも一日おきに2ステージこなしていくのは、並大抵の集中力ではない。 まあ、書いたのは俺なんだけどさ。 祈りながらも「アンドゥ家の一夜」を地道に書き進めている。 もっと一気に書けないものかと思うが、書けないから20年以上も苦しんでいるのだ。 眠ってなぞいられないのである。が、眠らないと頭がまったく働かないから、眠らないわけにはいかないのである。 一昨日のナイロン休演日は6回めの「INU一KERA」だった。 ゲストは「神様〜」客演中の水野美紀ち
アンドゥ家へ。 いつものことではあるが、幕が開き、芝居が落ち着いてくると、別の仕事にとりかからねばならなくなる。 今も劇場ではキャストとスタッフは「神様とその他の変種」に全力で集中してくれているのに、俺は近所の喫茶店で別の芝居の脚本を書いている。 もちろん数日に一度は客席で観るし、観ればダメ出しもする。だけどそんなの、なんか片手間じゃないか。 数週間前には一丸となって作っていた芝居から、俺だけ外れてしまったような気分に、どうしたって、なる。 毎度こんな感じだ。 が、蜷川さんとゴールドシアターの皆さんが待ってくれていることを考えると、ナイロンの舞台は現場の人達にまかせ、「アンドゥ家の一夜」を一日も早く脱稿すべきなのは明白である。 そして、「神様とその他の変種」の世界にいたら、「アンドゥ家の一夜」は書けないのだった。 また、まったく別の世界、まったく異なる匂いのする世界に、ドップリと浸らねばな
爆発事故は起こらない方がよい。 11日だかに起こった青山の爆発事故の発火元である「ブロンコ社」の横山さんには、かつて、ナイロン100℃で上演した女性のみの西部劇「すべての犬は天国へ行く」で、ガンさばきから銃のレンタル、火薬の扱いなどについて、「銃にまつわることすべて」でお世話になったことがある。 俺は今でもあの作品を、自分の手掛けた舞台の中でも最良の一本と思っているが、そう成り得たのも横山さん(我々はブロンコさんと呼んでいた)のおかげだった。 「ともかく、いつでも銃を触っていることです」 普段ピストルなんて扱ったことのない女優たちに、ブロンコさんは笑顔でアドバイスしてくれた。 「早撃ち」という設定の役だった犬山イヌコと明星真由美は、いつでも、暇さえあればガンベルトから銃を出したり入れたり、クルクル回してサッと納めたりしていた。 普段からガンマンみたいな服装をしているのはちょっとどうかと思っ
面白がり方。 8日、9日と稽古がオフだったので執筆に専念していたが、思うように進まず、10日もオフにしてもらった。 専念とは言っても、9日には毎日新聞、10日にはクイック・ジャパンの取材が入ったり、事務的ななんやかんや(主に来年のこと)があったり、夕刊フジの連載を書いたりで、専念という程は専念できない。 あ、前回ロッキン・オン(正確にはロッキング・オンだということですが、俺にとっては30年近くロッキンオンだったので、もはや修正はきかないのです)について書いたら、「私も嫌いです」みたいなコメントをいくつか戴いたけれど、俺は別にロッキンオンが嫌いなわけではない、逃げるわけではなく。 ただ、なんとなく関係がしっくりいかないだけで、それは望んでのことではない。誤解なきよう。 クイック・ジャパンで取材に来たキレイなお姉ちゃんが、なるほどと思う分析をしてくれて溜飲が下がったのは、エグさに対する世の中の
「犯さん哉」さらに順調ながら、疲れは出ている。 「犯さん哉」は、早いもので、東京公演も中日を過ぎ、出演者一同腰やら膝やらを痛めつつ、整体に行ったり冷やしたりしながら、公園通り史上もっともくだらない舞台を続けている。 観に来てくれた方々、感想コメントくれた方々、感謝。 感想は賛否共々掲載させてもらっているが、第三者を巻き込みかねないものは削除させていただいているので悪しからず。 17日の休演日、昼は世田谷文学館で植草甚一展。 年譜を見ると、JJ氏こと植草さんが世間的にブレイクしたのは50歳間際で、エッセイストとしてはかなりの遅咲きだ。 にしても、71歳で亡くなるまでの間にあれだけの分量の文章を遺したのは驚愕に値する。 「この夏は600時間ジャズを聴いた」 だの 「戦前のコーヒーは出された時のにおいが違っていた」 だの、なんでもないことが逐一魅力的に聞こえるのは先入観か。 俺が植草さんの本を初
宛名について。 映画の試写状や、芝居の案内などをたくさん戴く。 それは大変有り難いものの、そして俺のペンネームが長いのがいけないのだろうが、できれば最後まで正確に明記してはもらえまいか。 三木聡監督、期待の新作「図鑑に載ってない虫」の試写状をはじめとして、もっとも多いのが ケラリーノ・サンドロ様 である。 どうしてここでやめてしまうのか理解に苦しむが、なぜか皆さん、サンドロでやめてしまう。 デイヴィッド・リンチ監督生活30周年、上映時間3時間の大作「インランド・エンパイア」の試写状は ケラリーノ・サンドロビッチ様 になっていた。 ビッチではない。 ヴィッチである。 惜しいんだけどね。 それでも、以前、たしか「バベル」の試写状に書かれていた ケラーリ・サンド様 よりは遥かによい。 そんなサンドは誰も食いたいと思うまい。 めんどくさかったら、あるいは機械の問題で字数が長すぎて打ち出せないのであ
2011年09月25日 終末以降。 整理せずに一気に書く。論文ではない。雑記。 「奥様お尻をどうぞ」を無事閉幕し、「ケラリーノ・サンドロヴィッチ・ミューヂック・アワー#004」を終了したとたん、怒涛のように、やりきれないことが次々と襲い掛かってきた。 多くは大人の事情でここには書けない。 「やりきれない」といっても、致命傷という程のことではなく、であるなら、実はやりきれなくなんかない。 ひとつには、譲り受けたばかりの猫が病気になった。 数日間、高熱が続き、あれほど「みゃー」だの「にゃん」だのよく鳴いていたのに、ほとんど声を出さなくなった。原因は定かではないが、なんらかの感染症の疑いが強い、と医者は言い、予防接種は受けたものの、完全に防ぎきれるとは限らないのだ、と彼は続けるから、素人としては「はあそうですか」と言葉少なに頷くしかない。 なにしろ生まれて二ヶ月の子猫だ。高熱が何日も続くだけで、
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