今回のツアーでは、最新作「Kranke」を携えて全国5都市を巡ったsyrup16g。定刻を迎えるとステージを覆っていた幕がゆっくりと開き、メンバーがスタンバイしている姿を認めるや否や待ち焦がれていたオーディエンスは大歓声をあげた。オープニングナンバーは「Kranke」の1曲目を飾る「冷たい掌」。ステージうしろのスクリーンには「Kranke」のジャケットに描かれている毒々しい色合いのビジュアルが投影され、その前で五十嵐隆(Vo, G)は骨太なバンドサウンドに気だるそうな歌声を絡ませる。1曲目が終わったところで彼は「ありがとう。こんばんはsyrup16gです」と落ち着いた声で挨拶し、「生きているよりマシさ」へとつなげた。その後も五十嵐が奏でるギターにキタダマキ(B)と中畑大樹(Dr)が丁寧に音を重ねた「To be honor」、万華鏡の中を映し出したような映像をバックにパフォーマンスされた「H