タグ

ブックマーク / hiko1985.hatenablog.com (7)

  • サニーデイ・サービス『Dance To You』 - 青春ゾンビ

    サニーデイ・サービスのニューアルバムが僕の胸を震わせる。再結成後のサニーデイ・サービスの活動に1ミリの関心も抱いて来なかった事を後悔しなくちゃならない。勿論、グッドミュージックである事は否定しないが、魂に訴求してくるようなものはこのバンドから再び生まれ得ないだろうと高を括っていた。誤解しない欲しいのだが、サニーデイ・サービスほど青春期の私に強い影響を及ぼしたバンドはいない。彼らが掲載されている雑誌のバックナンバーを古屋で買い漁り、そこで言及されている古今東西のポップカルチャー(純文学からポルノ映画まで)を夢中になって吸収し続けたものだ。それらをシームレスに編み込み、ある1つの決定的なグルーヴを生み出すサニーデイの姿勢(そして、それらはceroなどのバンドに引き継がれている)は、今でもこのブログを続けていく上での1つの指針だ。当に憂な時間に耳を傾けるのは小沢健二ではなくサニーデイ・サー

    サニーデイ・サービス『Dance To You』 - 青春ゾンビ
  • 野木亜紀子『アンナチュラル』1話 - 青春ゾンビ

    うおー。思わず声が出てしまうほどにおもしろいではありませんか。脚、役者、演出、編集、劇伴、衣装・・・あらゆる要素が90点越えを叩き出す超優等生の登場である。脚は野木亜紀子。『空飛ぶ広報室』(2013)、『重版出来!』(2016)、『逃げるは恥だが役に立つ』(2016)などで高い評価を得た、原作もののスペシャリストがついにオリジナル脚テレビドラマを手掛けるということで、期待値は高かったのですが、その予想の遥か上をいく完成度。ここ20年のテレビドラマの軌跡と叡智の結晶というような感触を覚える。そう考えると、”遺体解剖”という作品のモチーフはあまりにもはまっている。野木亜紀子は相当のテレビドラマフリークであると聞く。 テレビドラマの過去のアーカイブス(≒死体)を暴き出し、「このドラマは何故おもしろいのだろう?」というのを徹底的に究明し、未来へと繋げた成果が、この『アンナチュラル』なのであ

    野木亜紀子『アンナチュラル』1話 - 青春ゾンビ
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』1〜9話 - 青春ゾンビ

    このブログをお読み頂いている方ならご承知の事かと思われますが、私、星野源のことが好きで好きで好きでして。好き過ぎるあまりに、彼の主演ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にしっかり向き合うことができていなかったのです。しかし、それでは歪んだ愛だ。きちんと向き合わねばならぬ。というわけで、意気込んで追っかけ再生、とうとう9話をリアルタイムで観られる所まで辿り着きました。 わけのわからぬ導入、と思われるかもしれない。しかし、この導入に忍びこませた"性的趣向"や"偶像崇拝"といったニュアンスは、この『逃げ恥』という作品において、重要な意味を持つ。上記のセンテンスにおいて、私が星野源に向けている感情は紛れもなく愛だ*1。たとえそれが世間からは風当たりの強い感情だとしても、この世界を生き抜く為に役立つ、強く儚い感情なのである。 みにくいと 秘めた想いは色づき 白鳥は運ぶわ 当たり前を変えながら 恋せずにい

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』1〜9話 - 青春ゾンビ
  • 野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ

    みくりさんは自分の事を”普通じゃない”と言うが 今更です とっくに知ってました たいしたことじゃありません 僕達は最初から普通じゃなかった という平匡(星野源)の台詞にもあるが、このドラマの登場人物はみな一様に、世間一般で言うところの”普通”に該当しない。故に「普通ならばこうあるべき」というレッテル貼りに苦しみ、傷つけれてきた。男らしくあるべき、いい歳なんだから結婚しなさい、女は子どもを産まなくてはならない、女は若いほうが優れている、愛の対象は異性に向けられるのが普通etc・・・こういった数々のレッテルをユリちゃん(石田ゆり子)は”呪い”と名付け、 そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい と、テレビの前の視聴者に向けて語りかける。このドラマにおける最も感動的なシーンの1つだろう。しかし、”呪縛”という言葉がある通り、逃げても逃げても、へばり付いて離れない呪いというのは往々にして

    野木亜紀子『逃げるは恥だが役に立つ』最終話 - 青春ゾンビ
  • 新しい地図『72時間ホンネテレビ』 - 青春ゾンビ

    毎日みんなで口にするのは「ああ あいつも来てればなぁ」って 当に僕も同感だよ それだけが残念でしょうがないよ スチャダラパー「彼方からの手紙」 そこに”いない”と感じるってことは、実はむちゃくちゃ”いる”ということなのだ。『72時間ホンネテレビ』は3人としてスタートを切る番組ではなく、どこまでも5(6)人を諦めない、という意志のように思えた。ちなみに、上に引用したスチャダラパーの「彼方からの手紙」という曲はこう締めくくられる。 ぼくはすべてを把握した ここにこなけりゃぼくは一生 わからずじまいで過ごしていたよ あんがい桃源郷なんてのは ここのことかなってちょっと思った 君もはやく来たらと思う それだけ書いて筆を置く まさに桃源郷のような3日間だった。もちろん、72時間の内、8割方は既存のテレビ番組の冴えない企画の焼き増しで、「地上波放送じゃできない」という謳い文句は決して適切ではない(地

    新しい地図『72時間ホンネテレビ』 - 青春ゾンビ
  • 2013 BEST ALBUMS 30 - 青春ゾンビ

    1.Happle『ドラマは続く』 2.山田稔明『新しい青の時代』 3.Janelle Monáe『THE ELECTRIC LADY』 4.住所不定無職『GOLD FUTURE BASIC,』 5.Dorian『Midori』 6.The Patels『Slow Summit』 7.片想い『片想インダハウス』 8.坂慎太郎『まともがわからない』 9.Kanye West『Yeezus』 10.ミツメ『うつろ』 11.土井玄臣『The Illuminated Nightingale』 12.DJ Koze『Amygdala』 13.cero『Yellow Magus』 14.フジロッ久(仮)『ニューユタカ』 15.しいねはるか『桜の新芽を愛でる会』 16.Louis Cole『Album 2』 17.森は生きている『森は生きている』 18.5lack×olive oil『5 0』 19.じ

    2013 BEST ALBUMS 30 - 青春ゾンビ
  • 新房昭之『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』 - 青春ゾンビ

    賛否両論あるようだけども、個人的には大傑作ではないかと思っている。劇団イヌカレーらによる空間設計や美術は、まるで宮沢賢治のスペイシーとLSDとNHK影絵劇『シルエット』が融合したかのよう。作画、構図、アクション、その全てがTVシリーズを更新している。物語の構造も素晴らしく、今作は決して蛇足などではない、と断言したい。 序盤は細部に豊かな差異を散りばめながらTVシリーズの反復を試みる。その差異は徐々に暴走を始め、ダーティな雰囲気を纏っていたTVシリーズが嘘のように、死んだはずの者までもが”魔法少女”の役割を活き活きと真っ当する世界が続いていく。パッと見た感じ初期の『美少女戦士セーラームーン』や『プリキュアシリーズ』のようなものを期待して劇場にやってきた母娘にも満足頂けるような、恋と砂糖菓子にまみれた幸福な映像が繰り広げられていく。しかし、例えば謎のダンスを取り入れた変身シーンにしても、どこか

    新房昭之『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』 - 青春ゾンビ
  • 1