アニメビジネスの今 今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。 今年も残すところ、あと少しとなった。そこで、今年最後の連載となるこの記事ではアニメビジネスにとってどういう年であったのかを振り返ってみたい。 2006年をピークとして規模を縮小していたアニメビジネスだが、昨年から回復基調に入ったことは、「5年ぶりに制作分数が増加、レポートから見るアニメ業界の現状」で述べた。だが、今年のアニメビジネスの進ちょくを見ると、回復以上に「新たな発展」の芽が出つつあるのではないかと思われる点がいくつかあった。 まず、業界全体の景気動向をうかがう上で指針となる