パリ市は1日、セーヌ川にかかるポンデザール(芸術橋)に取り付けられた「愛の南京錠」の撤去を始めた。欄干を埋め尽くす鈴なり状態は危険で醜いと判断した。スマートフォンなどによる「自撮り」写真を専用サイトに載せる代替策も試みてきたが、抜本策に踏み切った。 芸術橋は、欄干の金網に錠を取り付けて鍵をセーヌ川に落とし、永遠を誓う観光名所でもあった。だが、錠前の重みで金網が倒れることがあるうえ、世界遺産の一角をなす景観を損なうとみて撤去を決めた。 この日昼から、約150メートルの欄干の錠前を金網ごと外し始めた。数十万個で計45トンという錠は、芸術作品の素材などに再利用してもらう。金網を外して絵画などを描いた板を取り付け、秋までにガラス板にする。 市のジュリアール助役は「パリは愛の街であり続ける。愛を表明する方法はほかにもある」と説明した。「たくさんの錠がさびついて、美しくなかった」(カナダの女性)と歓迎