『戦士に愛を』(三浦秀雄/双葉社) 戦争はなぜ起こるのか。歴史を振り返れば愚かしさや凄惨さは一目瞭然なのに、今も世界のどこかで行われている武力紛争。古代ギリシアの歴史家トゥキディデスは、戦争原因の3大要素には名誉心、恐怖心、利得心があると説いた。だが、時の為政者、あるいは国民感情が戦争を引き起こしたとしても、実際に戦うのは兵士たちである。 『戦士に愛を』(双葉社)は、近未来を舞台に戦争の生々しさを描いたミリタリーSF。元はニコニコ静画で三浦秀雄さんがあかさたな名義で連載していた作品で、現在は第2巻まで刊行中で、9月には第3巻が刊行予定だ。 ■人生を選べないまま戦争へと駆り出される“人造人”たち 主人公のウィズは“人造人”だ。人為的に作られたことを除けば、人間とそれほど見た目や能力に違いはない。だが、彼らは常に人間たちから差別と迫害を受けていて、劣悪な環境で働くことを強いられている。 舞台は
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