新型コロナウイルスの収束が見通せない中、生活苦などによる自殺の増加が懸念されている。 警察庁と厚生労働省によると、今年の自殺者数は前年比で7月から増加に転じた。8月は1849人(速報値)に上り、前年の同じ時期より246人増えた。 1~6月の半年間は前年より約10%減少したが、専門家は、感染拡大の初期には命の危険を感じて身を守ろうという意識が強まったことが背景にあると指摘している。人との接触が減り、ストレスも軽減したという。 だが、この状況が長期化し、経済の停滞で生活が困窮したり、心が不安定になったりする人が多くなれば自殺者の増加傾向が顕著になる可能性がある。 コロナ禍に関連する解雇や雇い止めは6万人を超えた。資金繰りが悪化して廃業に追い込まれる中小企業の経営者や店舗の店主も少なくない。公的な支援が足りず、借金を繰り返して多重債務に陥るおそれもある。 中でも心配なのは女性の自殺だ。人数自体は