toikimi.hateblo.jp 自分でも感心するくらいがんばった1年が過ぎ、料理だけではなく自信も身につけた、と僕は思った。 けれど今、「卒業実習室」へ向かいながら、胸のドキドキを押さえられない。 昨日、僕は医師の診察を受け、そのまま絶食した。 実習室に入り、白衣の技師から渡されたのは、カプセル内視鏡だ。 外周に刻まれた螺旋状の突起を回転させて進むことができる、自走機能を搭載した内視鏡だった。 「従来のカプセル内視鏡は、消化器のぜん動運動によって運ばれていたので、飲んでから排出されるまで丸1日以上かかりましたが、この最新型の内視鏡ならば数時間で済みます」 技師の説明にうなずきながら、小さなカプセルを飲み下す。 「機器が正常に作動していることが確認できました。それでは、コックピットへ移動してください」 誘導されるままに場所を移った。 卒業実習室の中央に設置されているのは、ドーム型のブー