[フードエイジ] プロローグ「農高生の視点」 自給の重み知る一口 日本農業新聞は年間キャンペーン報道「フードエイジ」を始める。消費者や若い世代を含め国民全体で食料生産の大切さを共有し、国産農畜産物の利用拡大やその先にある食料安全保障の確立につながる動きや課題をさまざまな角度から探る。初回はプロローグとして「農高生の視点」で食と農の関係を考えた。現場を体験し、食料を自給する重みを実感するようになった若者の姿を見た。 国産囲み農家に感謝 栃木県立鹿沼南高 くつくつと音を立て、すき焼き鍋が煮えてきた。箸を入れ、口に運んだのは「とちぎ和牛」の霜降り肉。栃木県立鹿沼南高校食料生産科の1年生、小野寺煌さん(16)は家族と鍋を囲み「んー。やっぱり柔らかい」と顔をほころばせた。この1年で牛を育てる大変さを知り「よりおいしく感じる」と打ち明けた。 小野寺さんはサラリーマン家庭の生まれ。授業でブラウンスイス種