『週刊金曜日』2022年10月28日(1398号)特集「統一教会だけじゃない!part2:「家族」に介入する自民党と宗教右派」内掲載記事 (編集部の許可を得て転載) 報道や国会などで連日、統一教会が槍玉にあげられ、政界での唯一の暗躍者かのような印象を世間に与えている。思い返せば、6年ほど前のいわゆる「日本会議ブーム」のときも、保守団体「日本会議」のみが焦点化された。問題は、統一教会だけでも、日本会議だけでもない。 「家庭教育」をめぐる動きも同様で、統一教会が突如始めたものではない。本格化したのは2006年12月、第一次安倍晋三政権のもとで教育基本法が全面的に「改正」されて以降だ。 「改正」は、「愛国心」が新たに加わるなどで大きな批判を浴びたが、家庭教育に関する第10条も新設された。保護者が子どもの教育の第一義的責任を持つとし、国や地方公共団体(自治体)は家庭教育を支援するために必要な施策を
(1)日本語で読める遊び・ゲーム論の古典(5冊)「ゲーム研究(Game Studies)」は21世紀に誕生した新しい学問分野だが、遊びやゲームについての研究は古くから哲学や心理学、人類学、教育学といった分野でなされてきた。ここに紹介するのは、欧米で刊行されてきた遊び・ゲーム論の古典のうち、現在われわれが日本語で読めるものである。翻訳者に感謝しなくてはならない。 (1-1)ヨハン・ホイジンガ『ホモ・ルーデンス:文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み』(1938年、里見元一郎訳、講談社学術文庫、2018年) 原著はオランダ語で1938年に刊行された。「文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み」という長い副題をもつ。いわずと知れた遊び・ゲーム論の古典中の古典であり、「生物学的適合性」に資するものとして遊び・ゲーム(オランダ語で「spel」)を「合理的に説明」しようとしてきた、そ
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