竹内のパンがなぜそこまで多くの人を魅了するのか。その秘密は、完全オリジナルの製法で作られる“どこにもない味”にある。たとえば、定番の食パンは、通常の倍にあたる水分を加えて生地を仕込む。極度に生地が柔らかいため、扱うだけでも相当な技術を要する上、機械での成形もできないという。手間はかかるが、その分、もっちりとした食べ応えとのどごしの良さを実現した。人気のメロンパンも型破りだ。通常1時間程度、高温で生地を発酵させるが、竹内は自家製の天然酵母を使うため高温で15時間発酵させる。これで驚くほどの軽さと独特の味わいが生まれた。 伝統の技法もセオリーも無視し、時に邪道とまでいわれる竹内のパン作り。しかし、追求するのはあくまでもおいしいかどうかだと、言い切る。 「製法なんて関係ないんですよね、結果おいしくなったらなにやってもええんやっちゅう。どんだけこだわってやってもおいしくなかったらなんの意味もないわ