週末のうちの庭を 野良猫が歩く ご自慢のちぎれ尾を 水平に威風堂々と 糞を落としていく猫は 忌み嫌われていた 庭にかがむ その体めがけて 罵声を投げられた 人間には慣れていた むしろ舐めていた 登記簿を思いやることなんて 煩わしくて そんな猫を追い払う 怒る三十路の声 「おいてめぇ わざわざうちにきて くそをするんじゃねぇ」 庭の中かがんで 必死で息こめて うんこという名のお土産を 放った 放った 生まれた排泄の 優しさが ぬくもりが まだ信じられなくて こんだけ出したって ケツに糞は付いていた それから猫はたまにきて うちでクソをする 私はクソ猫に名前をやった うんこついてるから うん尾 我が家の裏の砂利道は ほとんどクソまみれ クソ猫は手馴れた排泄を 堂々としていたが ある日 我慢の限界です 猫避け散布しよう 最後の別れになると 胸は高鳴った 散布した 散布した うんおが来ないように