神奈川県横須賀市に、将来陸上自衛隊の中核を担う人材を養成する陸自唯一の学校がある。中学を卒業後、親元を離れた15~19歳の生徒が寮生活で卒業を目指す「陸上自衛隊高等工科学校」だ。同校の教育は普通科高校と同様の内容に加え、電子工学などの専門教育や武器訓練などの防衛基礎学を修める厳しいものだ。「パイロットになりたい」「人を助けたい」-。さまざまな志を胸に、生徒らは過酷な3年間を仲間と支え合いながら、知・徳・体を磨き乗り越えていく。 厳しい集団生活午前6時。生徒らは起床ラッパで飛び起き、点呼のために生活舎前に整列する。清掃、朝食、朝礼を経て午前の授業。 1時間の昼休みを取って午後の授業が行われ、午後6時までは部活動。自習時間が始まる8時までの2時間が、夕食を含めた唯一の自由時間だ。 「アイロンがけが苦手で、最初は自由時間がアイロンがけで終わってしまった」 こうはにかみながら話すのは、高校2年生に