販売状況に陰りが見えてきた薄型テレビ 2008年の薄型テレビを振り返って見ると、高画質化はもとより、超薄型化、録画機能の内蔵、リンク機能の展開、ネット対応などといった機能の充実が図られた。“見るテレビ”から“使いこなすテレビ”に向けたさまざまな提案がなされた年と言えるだろう。ソニーが世界初の機能を備えた液晶テレビ4シリーズを一挙に発表するなど、古代の生物の進化に例えればカンブリア紀のように、進化の実験場の様相を呈していたと思える。 しかし、ここにきて環境は大きく変化している。サブプライム問題に端を発した世界的な景気後退と円高が、大きなマイナス要因として浮上してきたのだ。 BCNの調査では、2008年10月の薄型テレビは販売金額ベースで対前年比98.2%と前年割れを起こしている。特に40V型~50V型テレビの減速が目立ち、オリンピックが開催された8月に前年同月比170%以上の販売台数を記録し