政府に対する抗議活動は数週間続き、なかには暴徒化したケースもあった。サンティアゴの多くの地下鉄駅が放火された。商店や教会までもが略奪されたり、破壊されたりした。セバスティアン・ピニェラ大統領は非常事態宣言を出し、軍を出動させた。 ピノチェト独裁政権崩壊後のチリで、こんなことになったのは過去に一度だけだ。デモ参加者に発砲し、催涙ガスを噴射し、負傷者を何百人も出した。「過剰な武力行使」だとして、チリ警察は世界中から非難された。 それでも、「ティア・ピカチュウ(ピカチュウおばさん)」として有名になったグランドンは踊り続けた。何度も高圧放水砲でずぶぬれになったり、ゴム弾で足を撃たれたり(左の靴に穴があいた)したが、抗議活動に参加し続けた。 空気で膨らませた恐竜の着ぐるみを着た友人とグランドンが街を歩いていると、6人の武装警察官に体当たりされて倒れ、顔に催涙スプレーを噴霧されたこともあった。片端から