送電線の電力損失は導線抵抗とコロナ放電が原因とされています。導線抵抗は線路の距離に比例して増加し、コロナ放電は送電電圧が高く、気圧が低く、温度が高いと大きくなります。 (1)送電線の導線抵抗 送電線の電気抵抗を1メートル20ナノオームとすると、200キロメートル線路の電気抵抗は4ミリオームです。ラフな計算では、1000万キロワットの電力を50万ボルト送電する時、送電線を流れる電流は約2万アンペア。送電線抵抗が4ミリオームなので、電力損失(抵抗値×電流の二乗)は、4×4×10^-3×10^8=1600キロワットになります。送電損失率は0.016%となります。送電距離が同じであれば、送電損失は送電電流の二乗に比例(送電電圧の二乗に反比例)します。送電電圧が2.2万ボルトならば、計算上、電力損失は約83万キロワットで、50万ボルト送電の約500倍になります。この場合の損失率は8.3%となります。