クルト・レヴィン(1890―1947年)は「社会心理学の父」と呼ばれることが多い。彼の広範囲に及ぶ成果には、リーダーシップスタイルとその影響の研究や集団での意思決定の研究などがあり、場の理論や変革マネジメントの「解凍―変化―再凍結」モデル、「アクションリサーチ」という研究方式、グループダイナミクスによる訓練方法(特にTグループ)を開発した人物である。 人生と業績 ドイツ生まれのレヴィンは、ナチスから逃れるために1932年に渡米するまではベルリン大学の哲学と心理学の教授を務めていた。アメリカではコーネル大学で教鞭を執り、その後アイオワ大学の児童福祉研究所の児童心理学教授になった。1944年にマサチューセッツ工科大学(MIT)にダグラス・マグレガーらとともにグループダイナミクス研究所を創設した。 思想のポイント ●リーダーシップスタイルとその影響 レヴィンはアイオワで、L・リピットやR・ホワイ