川合先生が岩波新書のために書き下ろした 白楽天ー官と隠のはざまで は、受業生ならよく知っている、白居易に関する川合先生の持論を、一般向けに分かりやすく書いたものである。 あとがきに 李商隠の訳詩の合間にしたおしゃべりがこの書物の元になった とあるけれども、川合先生の中唐文学に関する授業に出たことがあれば、それこそ、よく耳にしていた話なのだ。 この書物は、 国立大学の大綱化と大学院重点化政策のために出るのが15年遅れた と、わたしは思う。もし、40代の頃の川合先生が書いたとしても、本書とおおよその内容はそれほど違うわけではなかっただろう。むしろ、川合先生の白居易に寄せる関心が強かった時期だったから、もっといろいろな内容を盛り込むことが出来たかも知れない。川合先生の若々しい文体からほとばしるエネルギーが、さらに横溢する『白楽天』になったかもしれない。 なぜ、川合先生がその時本書を書かなかったか
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