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ブックマーク / iori3.cocolog-nifty.com (9)

  • 佐々木俊尚『電子書籍の衝撃 本はいかに崩壊し、いかに復活するか』ディスカヴァー21 期間限定(4/14正午まで)ダウンロード版110円 - 天漢日乗

    佐々木俊尚『電子書籍の衝撃 はいかに崩壊し、いかに復活するか』ディスカヴァー21 期間限定(4/14正午まで)ダウンロード版110円 (追記 4/17 職場に献が届いてた。佐々木さん、ありがとうございます) 商業出版の電子書籍でトクをするのは誰か。ソンをするのは誰か。電子書籍を売るためにはどういう工夫をすればいいのか。 簡単に言うと、書で佐々木さんが論じているのはその点である。 この議論に馴染めないのは、おそらく印税とか原稿料とは関係ない学術出版の世界で生きているからだろう。学術出版の世界では、相当な経費を掛けて調査し、何か論文を書いたら、論文の出版によって、掛かった費用を回収するという発想はない。研究論文は、論文の中に書かれた結論に価値があるからだ。わたしの所属する学会では、学術論文は、基的に売り物ではなく、印税も発生しない。(そうでない学会もあるかもしれない) わたしの学位論文

    佐々木俊尚『電子書籍の衝撃 本はいかに崩壊し、いかに復活するか』ディスカヴァー21 期間限定(4/14正午まで)ダウンロード版110円 - 天漢日乗
  • 川合康三『白楽天ー官と隠のはざまで』岩波新書1228 あるいは大綱化と大学院重点化による失われた15年 - 天漢日乗

    川合先生が岩波新書のために書き下ろした 白楽天ー官と隠のはざまで は、受業生ならよく知っている、白居易に関する川合先生の持論を、一般向けに分かりやすく書いたものである。 あとがきに 李商隠の訳詩の合間にしたおしゃべりがこの書物の元になった とあるけれども、川合先生の中唐文学に関する授業に出たことがあれば、それこそ、よく耳にしていた話なのだ。 この書物は、 国立大学の大綱化と大学院重点化政策のために出るのが15年遅れた と、わたしは思う。もし、40代の頃の川合先生が書いたとしても、書とおおよその内容はそれほど違うわけではなかっただろう。むしろ、川合先生の白居易に寄せる関心が強かった時期だったから、もっといろいろな内容を盛り込むことが出来たかも知れない。川合先生の若々しい文体からほとばしるエネルギーが、さらに横溢する『白楽天』になったかもしれない。 なぜ、川合先生がその時書を書かなかったか

    川合康三『白楽天ー官と隠のはざまで』岩波新書1228 あるいは大綱化と大学院重点化による失われた15年 - 天漢日乗
  • 本棚を組み替える - 天漢日乗

    一体何冊書籍があるのか、数えたことはない。たぶん1万冊はとっくに超えているのだが、考えないようにしている。それでも書籍は増える。 最近、冷僻字(ほとんど使われない漢字)を扱うことが多いので、堕落なんだけど、『大漢和辞典』を勉強部屋に移した。『漢語大詞典』と『漢語大字典』は書庫に置いたまま。さすがに全部は持ってこられない。こっちはCD-ROMもあるみたいだけど、なぜか以前買った版がうまく動かなかったので、そのまま書冊体を使っている。 信じられない話だろうけど、学部生の頃 大漢和辞典を引いてはいけない研究室 にいた。研究室に『大漢和辞典』は置いてあるんだけど、あまり見てはいけなかった。当たり前だが、出典調べに使うなど言語道断。どうしても文字が読めないときに引くのはしょうがないのだが、その程度のものであって、文学なら 出典調べはまず『佩文韻府』でやれ であり、哲学なら 『経籍纂詁』を引け だった

    本棚を組み替える - 天漢日乗
  • 遷都1300年なのに奈良時代の面白そうな歴史小説が出てこない理由 - 天漢日乗

    歴史マニアは、医師には結構多い。だからこそ 医学史研究者の多くは医師 だったりするわけで、ほぼ奉仕に近い形で長年研究を続けてこられた先学がいらっしゃる。 ところで、 遷都1300年なのに、新しい奈良時代の歴史小説があまり出てこない という話になった。これも、話題を振ったのは産科の先生だったのだが、理由は簡単で 奈良時代の歴史を書くには漢文が読めないと困る(日語の漢字仮名交じり文が成立する以前の時代なので同時代資料は漢文か万葉仮名で書かれている) もっとも、小説を書くくらいの準備をするくらいなら、同じ材料で論文を書いた方が話が早いし生産的 という辺りで、ちょっと興味があります程度だと歴史小説に必要な資料の読み込みが出来ない分野である上に、文芸書が売れない昨今、奈良時代関連の一次資料が読める程度の漢文力があるなら、研究を続けていた方がマシと判断しているのではないかと思う。最近は、日人の漢文

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  • 岩波新書で家が建った時代: 天漢日乗

    昨日、久々に研究所に恩師を訪ねた。 で、その時に出た話が 昔は岩波新書を出すと家が建った という話である。 その昔、というのは岩波新書が200円台だった頃だから、たぶん今から30年くらい前だろうな。 で、岩波は書店買い取り制。 印税は太っ腹で15%。 その当時は岩波というと5万〜10万くらい刷ったんじゃないの、という。 すると、岩波新書を一冊出すとそれだけで 印税が定価×0.15×10万 というわけで、増刷がかかると、 家の手付けくらいは払えたんじゃないのか という話である。某大先生のお宅は岩波のおかげで建った、とか教えて下さった。 それほど 文化に価値を置くヒトが多かった ってことでもあるだろう。貧乏な時代には 読書は一番金の掛からない娯楽 だ。確かに 岩波新書は出たらすぐ買う、全部揃える というヒトが存在した時代ではあった。町にも屋があり、岩波新書も岩波文庫も、そこらで気軽に買えた時

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  • 日本政府奨学金(国費)留学生と博士課程の日本人 - 天漢日乗

    最近、博士課程の競争率が1倍を切った。 4/13付産経より。 博士離れ深刻 競争倍率0.9倍割り込む 2008.4.13 01:14 世界に伍(ご)していくための高度研究・教育を担う人材を育成する「大学院博士課程」の平均競争倍率が平成19年度、0.9倍を割り込み、過去15年間で最低を記録、関西の有名国立大の中には、定員を充足するために4月に入って追加募集を実施した大学もあるなど、“博士離れ”がより深刻になっていることが12日、分かった。博士課程修了者の就職率が6割を切るなど、博士号を取得しても国内での就職が難しいことが進学を敬遠する大きな理由になっているとみられる。 文部科学省によると、全国の博士課程の入学定員に対する志願者の平均競争倍率は、3年度に開始した「大学院重点化」計画以降、上昇を続け、8年度には1.08倍を記録。15年度まで1倍を超えていたが、その後、漸減を続け、18年度には0.

    日本政府奨学金(国費)留学生と博士課程の日本人 - 天漢日乗
  • 台湾で漢方薬・生薬を買う 目には黄菊@台湾産菊花 - 天漢日乗

    土曜日の午後、漢方薬や生薬を買うために、友人が二個所に連れて行ってくれた。 まず龍山寺近くの西昌街一帯の生薬店が並ぶ通りへ。 「青草店」とか「青草行」というのが生薬を販売している店のこと。 台湾では すぐに調剤して煎じ薬などを作ってくれるシステム がまだ生きている。 柱に書いてあるのは 代客煎薬(お客様にかわって薬を煎じます) 代客搾汁(お客様にかわってジュースを搾ります) という看板。積み上がっているのは 生の薬草 だ。 日では顆粒状の「漢方製剤」が中心だが、台湾では原処方通りに薬を調合して煎じたり、ジュースを搾ったりしてくれる薬屋が健在。だから 却って漢方製剤が手に入らない ってことになる。わたしは杞菊地黄丸を服用しているのだが、なかなか見つからない。今まで服用してたのは中国大陸製なのだが、最近の動向を見ていると、台湾製の方がいいかな、という気がする。 こんな感じで、薬草が店頭に積み

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  • 台湾語訛りの國語 - 天漢日乗

  • 情報の可視化幻想 一番大事な物は見えないかも知れない - 天漢日乗

    古典文献学などという 長期衰退分野 に関わっていると、 なんでも見えるところにある、見えるところにあるものは信頼できる という考え方はヘンだな、と感じる。 たとえば、いくらデジタルアーカイブがたくさん出来ているにしても、まだまだすべてを網羅できてはいない。木簡や竹簡、文書など手で書かれた文字資料は 釈読 というプロセスが必要になるが、それは個々に任された作業で、 他人の作った釈読は、現物か写真を見て確認する のが、ベストだ。それが出来ない場合に初めて、釈読の典故を明かした上で利用する。 ところが 可視化の作業 では、この デジタル化された画像 ではなく 最後に得られた釈読だけ を無批判にコピペすることが結構まかり通ったりする。 逆に言えば、 コピペできない資料はオミットされる ということが出てくるのだ。 以前、CMの歴史を研究しているヒトと話をしてもの凄く違和感があったのは まだ、CMの草

    情報の可視化幻想 一番大事な物は見えないかも知れない - 天漢日乗
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