2020年に刊行された、斎藤環さんと與那覇潤さんによる「心を病んだらいけないの?」(新潮社)の9刷が2022年5月に発行される際、一部、修正がありました。私(新井紀子)自身に関係することですので、このブログで報告します。 本書は、與那覇潤さんと精神科医の斎藤環さんの対話という形で進行します。第6章は「人間はAIに追い抜かれるの?」をテーマに話が進みますが、その中で、「ロボットは東大に入れるか」という人工知能プロジェクトを進め、また「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本を著した人として私のことが話題に上ります。そこには、次のようなくだりがあります。 與那覇 結局私たちは人間主義との縁を切れないようですが、そこで必然的に出てくるのが教育の問題です。教育とは定義上、人を「あるべき姿」へと導く試みですから。 ところがこれがいま、大変残念なことになっています。『AI vs. 教科書が読