Twitterで徴兵制導入すべし、という意味不明の発言を最近よくみるようになった。基本的に、ただの若者には根性や防衛意識が足りないなど、無責任な発言によるものが大半だ。ただし知的な関心もある。徴兵制をいまの日本に導入すればどうなるだろうか。それをポール・ポーストの『戦争の経済学』を利用して簡単にみておく。 最初に結論でいうと、いまの日本に徴兵制をひくと、1)防衛力が低下する可能性、2)若い世代の人的資本の蓄積が歪む(ムダが発生)する可能性があるということだ。 ポーストの本は、主に徴兵制からAVF(総志願軍)への転換という先進国の主流の流れを分析したもので、日本の一部の無責任な論説のように徴兵制への転換とは異なる。なのでこのポーストの視点を逆転させる必要がある。 まず総志願軍の場合は、他の公務員の賃金やまた民間の賃金との競合を考えなければいけない。それに対して徴兵制は基本的にその問題はそれほ