大阪府の百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群が世界文化遺産の国内候補になったことで、「仁徳天皇陵」や「応神天皇陵」などの陵墓が注目されている。だが、宮内庁が被葬者としている天皇や皇族には、学術的には疑問も少なくない。 陵墓とは、歴代の天皇・皇后の墓である「陵」と、皇族が葬られた「墓」の総称だ。宮内庁のホームページによると、同庁は現在、188の陵と555の墓、46の陵墓参考地(陵墓の候補地)など、計899件を管理している。 堺市の百舌鳥古墳群と、大阪府羽曳野市・藤井寺市の古市古墳群は、古墳が最も巨大化した5世紀を中心に築かれた、計88基の古墳からなる。このうち、宮内庁が陵墓として管理しているのは46基。全長486メートルと日本最大の大山(だいせん)古墳(仁徳陵古墳)、同425メートルで第2位の誉田御廟山(こんだごびょうやま)古墳(応神陵古墳)をはじめ、全長200メートル以上の前方後円墳10