残虐の暴君か、国を護りし英雄か――。 15世紀中期。南にヨーロッパを席巻するオスマン帝国、西に大国ハンガリー。 ふたつの強国に挟まれた小国・ワラキア(現・南ルーマニア)にひとりの若き公が戴冠する。 その名は、ヴラド三世。 国内政治は貴族に支配され、外交は大国の情勢に左右される中、 ヴラドは故国・ワラキアを護るため、そ... 衝撃のラストだった二巻に続いて、三巻では大貴族アルブとの戦いが決着。ワラキアはヴラド3世の下で安定をみることになります。また、英傑フニャディ・ヤーノシュも回想で登場し、ヴラドに大きな影響を与えたエピソードが挿入されています。ついに本巻で宿敵メフメト2世登場。若き日のヴラドとの出会いと友情、そして訣別の思い出が描かれています。そのメフメト2世率いるオスマン帝国がワラキア公国へと目標を定め、その対抗としてヴラドはハンガリー王マーチャーシュ1世の従姉妹イロナ・シラージとの政略