前編 アイヌ語を「活保存」するには経済を回す必要がある ――中川先生は東京大学在学中の1976年に北海道に渡ってフィールドワークを始めて以来、半世紀近くアイヌ語の研究を続けるとともに、「活保存」(注:静内地方のアイヌ文化伝承者・葛野辰次郎さんの言葉で、言語を記録するだけの「死保存」に対し、使うことで生かしてゆくこと)を試みてこられました。本書の第八章では「活保存」の方法の一つとして、原作に出てきたアイヌ語のセリフをどのように考えていったか、解説されています。こうした形での「活保存」は新鮮な体験だったのではないでしょうか。 中川裕(以下略) はい。私自身はずっと前から、仲間を集めてアイヌ語を使った同人誌を作ったり、劇をやったりしていたので、アイヌ語のセリフ作りは初めてではありません。ただそれまでの、いわば内輪向けの活動と、何万もの読者を持つ作品にセリフを書くのとでは重みが全然違いますね。 そ
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